日付 8月31日 (日) 18:30〜
タイトル 緊急ミーティング!「アメリカのRICO法と日本の改正暴対法〜その比較と検証」
参加者 RICO法研究家及びルポライター
コーディネーター 宮崎学
主催 現代深層研究会


今回の緊急ミーティングは、RICO法の専門家及び研究家、ルポライターの3人が緊急集結し、改正暴対法との比較と検証を試みました。
議論された内容については、今後の現代深層研究会の研究材料として役立てたいと考えています。(事務局)


今回の会合では、改正暴対法についての議論を深めるために様々な角度から議論しました。

最初は、暴対法の基礎というべきアメリカのRICO法について議論しました。1970年にRICO法が成立してから現在までのRICO法の変遷を辿りました。そもそもRICOはアメリカマフィア対策の法律ですが、その法律が民事訴訟による損害賠償を認めていることなどから、最近、アメリカの「知恵」ある原告、被告弁護士が集団訴訟のツールとしてRICO法をタバコ製造会社や労組、ときとしてアメリカ政府をRICO法で訴えるようになり、日本の暴対法との違いが明らかになりました。そもそも「暴力団」という言葉自体も戦前においては、左翼や同和団体などを指すものであって、戦後においてその意味付けが変更されたことは興味深い内容でした。国家のそれぞれの時代により「暴力団」の意味が変わっていることが記憶すべきことでしょう。

次に、日本を離れ中国(本土だけではなく台湾など)の「幇(パン)」組織、またはその「幇(パン)」組織の背景にある中国社会などについても話が及びました。中国の歴史、特に軍隊と「幇(パン)」との関係、また最近の中国社会における過酷な労働条件で強いられる労働者問題がいつ中国国内での大規模な暴動となる状況にあることは対岸のこととはいえ看過できなくなっていることを印象付けられました。また、国民党や共産党に限らず中国政府の恣意的な判断、つまり、時の中国政府状況に応じて作為、不作為を繰り返すのは、日本での状況を考えるに大いに参考になります。例えば、「幇(パン)」組織が国民党や共産党の軍隊を構成したことは、時代の国家により利用されてきたことを示しています。

最後には、社会、国家と暴力団(マフィアなど)との関係にも話が及びました。国家というのが基本的に暴力と密接な関係にあり、暴力の代表例である軍隊が麻薬、マネロンなどと結びついてきた歴史はしっかり見ていかなければならないでしょう。その具体的な例として、ベトナム戦争時代の米軍と麻薬の関係、中南米における麻薬組織とアメリカ政府(軍隊)などが結びついていたことなど歴史的な背景から社会、国家、軍隊、薬物、資金洗浄などの関係について議論を深めることができました。結局、国家と暴力、薬物と資金というのが裏側では断ち切りがたい状況にあり、それらは時代の国家による恣意的な運用が(つまり作為、不作為という形で)表に現れており、それが日本では改正暴対法などになっていくのだなということを思った次第です。

いずれにしても今回の会合では、日本の暴対法から中国、さらにアメリカと三国間における社会、国家、軍隊、暴力団(マフィアや「幇(パン)」というべきでしょうか)との関係が一つ一つ結びついたり、切り離されたり、それぞれの時代の状況における主要なファクターを更に知ることが必要であることを痛感した会合でした。また、改正暴対法では組上層部の使用者責任を問われることから、組の下部組織で起こした犯罪などによる損害賠償が組の上層部にまで請求できるような枠組みができ、上層部が戦々恐々としていることも話題に上りました。約2時間半、具体的事例に及びつつ中身の濃い議論でした。


(RICO法研究家/山浦鐘)




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