徳島刑務所はいわゆるLB刑務所。無期懲役を含む刑期8年以上の重刑犯が収容される場所だ。Yさんいわく「ヤクザは全体の収容者の40%」ほどだという。ところが、松岡医務課長の変態医療行為はヤクザにはあまり行われなかった。
「相手を選ぶんです。無期で長く入っている老人や体が弱っている人に対して、松岡は陰湿な行為を行ってきた。私自身は肛門を陵辱されなかったが、松岡に陰部を触れられ、『これ何に使うんや』と侮辱されたことがある。私は健康で年齢も若かったが、もまもなく出所を控えており、成績を落としたくないという一心で我慢しました。松岡はそうした事情を知った上で、やってくるんです」(Yさん)
受刑者同士が連絡を取り合うことは、刑務所内では難しい。この松岡医務課長の蛮行を外に訴えるために、受刑者たちは手を結び始めていた。ある者は出所する者にこっそりと手紙を渡し、出所したら松岡医務課長の変態行為を外部へ訴える手紙を投函するように依頼した。また、ある者は運動場に手紙を埋めて、他の工場で作業する受刑者と連携を取った。こうした動きがあって、初めてメディアで報じられることとなったのだ。
ところが、徳島刑務所がしたことは反省や改善ではなかった。告訴の取りまとめ役となっていた受刑者を他の刑務所に移送。その移送に怒った受刑者たちが昨年11月に暴動を起こしている。その後も、暴動に関わっていないが、告訴に積極的と思われる受刑者は次々と他の刑務所へ移送されているという。そして、松岡医務課長も今年1月には高松矯正管区へ異動となっている。現在まで、この事件に関する法務省の公式的な見解は聞いたことがない。臭いものには蓋をするということなのだろうか。